(前編)どうして私はこんなに自分を責めてしまうの?

~そのクセの正体と、やさしく手放すヒント~

こんにちは、心理カウンセラーの飯田です。

あなたは、こんなふうに感じたことはありませんか?

◦ 失敗すると「自分はダメだ」と落ち込む

◦ 人間関係でうまくいかないと「私のせいかもしれない」と感じる

◦ 何かを頼まれると「断ったら嫌われるかも」と思ってしまう

それはもしかすると、「自分を責めるクセ」があなたの中に根づいているからかもしれません。

今回は、その“自分責め”の正体と、その背景にある心の仕組みを一緒に見つめてみましょう。

自分を責めるのは「悪いこと」じゃない

まずお伝えしたいのは、
自分を責めるのは「弱いから」でも「おかしいから」でもないということです。

むしろ、自分を責める人ほど、まわりに気を遣い、人にやさしくしようとする傾向があります。

では、なぜそんなやさしい人が、自分自身には厳しいのでしょうか?

自分責めのルーツは「子どもの頃の記憶」にあることが多い

私たちの「自分に対する態度」は、多くの場合、幼少期の人間関係の中で育まれます

たとえば、

◦ 親の機嫌が悪いとき、子どもながらに「自分が悪いから怒ってるのかも」と感じた

◦ 何かうまくいかないと「努力が足りない」と言われて育った

◦ 成績や結果で認められる経験ばかりだった

こうした経験は、「うまくいかないのは自分のせいだ」というビリーフ(思い込み)をつくり上げていきます。

つまり、自分を責めるクセは、心を守るために身につけた“生き延びる戦略”だったのです。

自分を責めることで、“安全”を保ってきた

矛盾しているように聞こえるかもしれませんが、自分を責めることは、ある意味で「安心できる戦略」でもありました。

◦ 自分を責めれば、まわりとの衝突を避けられる

◦ 自分に原因があるとすれば、相手の怒りに納得できる

◦ 自分を律していれば、迷惑をかけずに済む

こうして、自分を責めることで秩序や関係性を保っていたのです。

でも…
大人になった今、その戦略はあなたを守るどころか、苦しめているのではないでしょうか?

「自分責め」をやめる第一歩は、“気づいてあげる”こと

責める自分をやめたい、と思うとき、まず大切なのは、

「また自分を責めてるな」
「私は今、不安なんだな」

と、気づくことです。

責める自分を否定せず、その奥にある“本当の気持ち”に寄り添ってあげることが、
心をほぐす第一歩。

責めているとき、あなたはもしかすると、
「わかってほしい」「本当は頑張ってる」と叫んでいるのかもしれません。

自分にやさしくなるためのセルフワーク

最後に、すぐにできる簡単なワークをご紹介します。

🌱「責めそうになったら…声をかけてあげる」

1.つらい気持ちになったら、深呼吸を1回。

2.目を閉じて、自分の胸にそっと手を当てて。

3.「がんばってるよ」「大丈夫だよ」と自分に声をかけてみてください。

最初はピンとこなくても大丈夫。
こうした小さな積み重ねが、やがて自分にやさしくできる感覚を育てていきます。

まとめ「自分責めの正体」を知ると、やさしさが生まれる

自分を責めるクセは、過去にあなたが“うまく生きるために選んだ方法”でした。
でも今のあなたは、その方法に代わるやさしい道を選ぶことができます。

「私はもう、自分を責めなくてもいい」
「私は、そのままで大丈夫」

そんなふうに、少しずつ、自分に寄り添っていけたらいいですね。