がんばり屋の仮面──外では笑顔、心の中では泣いている大人へ

こんにちは。
心理カウンセラーの飯田です。

私は以前、精神科の現場で働いていました。

そこでは患者さんだけでなく、

一緒に働くスタッフの中にも「がんばり屋の仮面」ってものを、かぶっている人が、本当にたくさんいました。

外では明るく笑顔で元気に振る舞って、
仕事もテキパキこなしてスタッフから頼りにされる存在です。

でも、ふとした仕草に疲れがにむんです。

疲れてませんか?って聞いても、
「大丈夫です」って、笑って答える。

けれど、その笑顔はぎこちなくて、
声も小さい。

「本当は無理しているんだろうな」
と感じることが何度もありました。

それから、夜勤明けでフラフラなのに
「平気です」と言う人もいました。

でも目の下のクマは濃く、
声もかすれていたんですけどね。

そして、弱音を見せたら迷惑をかける、
と信じていた彼女は、仕事にこれなくなっていました。

私は思いました。

「がんばる人ほど、弱音を吐けないんだな」
そしてそれは、私自身にも当てはまっていたのです。

私もずっと
「人に迷惑をかけちゃいけない」
「弱音を見せたらダメ」と思って生きてきたひとりです。

だから、つらくても苦しくても「なんとかなる」
と言い聞かせて、飄々と過ごしていました。

でも夜になると、急に不安になり息がしづらくなったり、
モヤモヤが押し寄せたりすることもありました。

そんな自分を隠しながら生活するのは、
とても消耗するものでした。

なぜ弱音を吐けないのか

多くの人に共通していたのは、
小さいころの思い込みです。

「弱音を言うのは悪いこと」
「我慢できるのがいい子」
「迷惑をかけないのが正しい」

そんな言葉が心に染みついていて、
大人になっても「弱音はダメ」と自分を縛ってしまうのです。

だからこそ、限界になるまで我慢してしまう。

そして、気づいたときには、
すでに遅く、心も体もボロボロになっている。

隠してもにじみ出る心

「心の内を隠しているつもり」でも、心の状態は自然と表情やしぐさ、体に出ています。

呼吸が浅い、声が小さい、姿勢が丸くなっている。

無理して笑っても、その奥にある疲れや孤独は、
どこかに現れてしまうんです。

そして隠し続けると、
ある日突然「もう無理」と崩れてしまうこともあります。

だからこそ、

心が折れる前に
「安心して弱音を出せる場所」が必要なんです。

小さな一歩からでいい

「誰かに相談しなさい」と言われても、
それが難しいから困ってて。

私もそうでした。

だからまずは小さな一歩からはじめてみませんか?

・自分の気持ちを10秒だけ紙に書く

・「弱音」じゃなくて「ひとりごと」と思って声にしてみる

・安心できる小さな場にちょっとだけ参加してみる

それだけでも、心はすこし軽くなります。

弱音は甘えじゃない

弱音を吐くことを「甘え」と思う人は割と多いです。

でも、それは違います。

弱音を出せることは「自分を守る力」です。

壊れないために必要な行動なんです。

おわりに

外では笑顔でがんばっているのに、

心の中では泣いている大人はたくさんいます。

精神科で一緒に働いていたスタッフもそうでした。

そして、かつての私もそうでした。

だから、どうか知っていてほしいです。

弱音は恥ずかしいことでも、甘えでもないです。

自分の心を守るために、とても大切な力なので。

もし今「限界かも」と感じているなら、

どうか無理をしないでください。

ひとりで抱え込まない選択をしてください。

その一歩が、未来を少しずつ変えていきます。

そして仮面を外したとき、

あなたの笑顔はきっともっと自然で、やさしいものになるはずです。

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