心の病があっても結婚できる?家族の反対や不安と向き合うヒント

こんにちは。

心理カウンセラーの飯田です。

私はこれまで、

精神科の病棟などで長く働いてきました。

心の病を抱えた方の結婚やパートナーシップを、

たくさん見てきました。

その中には、

病気の再発やすれ違いで苦しくなる人もいましたし、

逆に支え合いながら絆を深めているご夫婦もいました。

私が思うのは、

心の病があるからといって幸せを、

あきらめる必要はないということです。

でも一方で、本人同士の思いだけでなく、

周りのサポートや家族の理解がとても大事だと感じています。

今日は、そんなテーマについてお話ししたいと思います。

「心の病歴を知ったとき」の揺れる気持ち

ある女性が、優しく誠実な男性と知り合い、

何度か会ううちに心をひかれていったそうです。

でもある日、彼が勇気を出してこう打ち明けました。

「実は、前にうつ病で治療を受けていたことがあります。
今は落ち着いているけれど、知っておいてほしいんです」

彼女は最初、とても戸惑ったそうです。

「この人のことが好き。でも、家族に話したらきっと反対される…」

実際に家族に話してみると、

返ってきたのは厳しい言葉でした。

「本当に幸せになれるの?」
「再発したらどうするの?」
「簡単に決めることじゃない」

応援してほしい気持ちと、

現実の不安とで、

胸がいっぱいになったと言います。

病気は「その人の全部」ではない

心の病というのは、

特別なことではありません。

うつや不安症、双極性障害などは、

誰にでも起こりうるものです。

私が出会ってきた方たちは、

苦しみながらも必死に立ち上がろうとしてきました。

そういう経験を通して、

人に共感する力や、

深い思いやりが育っている方がとても多いんです。

だから「病があるから結婚は無理」と決めつけてしまうのは、

本当にもったいないと思います。

もちろん、簡単なことではありません。

でも「この人と一緒に歩いていきたい」という気持ちがあるなら、

その思いを大切にしてほしいです。

家族が反対する背景

家族が強く反対するのは、

意地悪をしたいからではなく、

不安が大きいからだと思います。

そこには、大きく分けて2つの理由があります。

1 よく知らないから、怖い

心の病に対する知識が少ないと、
「再発するんじゃないか」
「一緒に暮らすのは大変なんじゃないか」と、
漠然と不安になってしまいます。
そんなときは、丁寧に伝えることが大事です。

  • 相手がどんな人か
  • どんなふうに病と向き合ってきたのか
  • 今はどんな毎日を送っているのか
  • 自分がどれだけ本気で一緒にいたいと思っているのか

こうしたことを言葉にしていくことで、少しずつ理解が深まることもあります。

2 経験があるから、慎重になる

もし家族の中に医療や支援の経験がある人がいる場合、

現実的な困難を知っているからこそ慎重になることもあります。

支える側の負担や、生活の中で起こりうることをよく知っているのです。

でも、それは「支援が必要なケース」を

多く見てきたからこそかもしれません。

穏やかに暮らしている人の姿は、

なかなか目に入らないものです。

だからこそ、具体的に今の状況や思いを伝えていくことが大事だと思います。

誰の人生を生きるのか

家族の意見はとても大切なもです。

でも最終的に人生を共に歩むのは、自分自身です。

「家族が安心するから」と

自分の気持ちを置き去りにした結婚を選んで、

あとで苦しんでいる人も見てきました。

大事なのは、「誰の幸せを大事にするか」だと思います。

それをゆっくり考えてほしいです。

心の病があっても愛される価値がある

もし、心の病を抱えていることで、

「自分には無理かも…」と感じている方がいたら、

伝えたいことがあります。

あなたは劣ってなんかいません。

無理に隠したり、取り繕ったりしなくていいんです。

それも含めて、あなたには愛される価値があります。

偏見はまだゼロではないけれど、

それであなた自身の価値が減ることはありません。

最後に

私が思うのは、

こういう状況でいちばん大事なのは「完璧になること」ではなく、

「自分を受け入れること」だと思います。

「私は病気を経験した。でも、それも私の一部なんだ」と認められたとき、

初めて誰かと向き合える力が育ちます。

そうやって出会った関係は、

おそらくとても深くて、

やさしいものになるはずです。

もし、これを読んで「同じように悩んでいる」と感じた方がいたら、

一人で抱え込まないでください。

必要なときは、どうぞ気軽に相談してくださいね。

あなたが自分らしい人生を選んでいけるように、応援しています。

ご相談は、どうぞお気軽に

私は30年以上、心のケアの現場に携わってきました。
心の病を経験した方が、自分を責めず、
希望をもって人生を築いていけるようサポートすることが、
私の役割だと思っています。

どんなに小さな不安でも構いません。
あなたの状況に合わせて、ゆっくりと話をお聴きし、
一緒に整理していく時間をご提供します。

あなたの心に、あたたかく寄り添うカウンセリング。
ご希望の方は、以下からお気軽にお申し込みください。