「もう遅い」なんてない

~中高年が直面する離婚とうつ、その心の乗り越え方~

「こんな年齢になって、まさか自分が離婚するなんて…」
「今さら新しい人生なんて歩めるのだろうか」

40代、50代、そしてそれ以降

子育てや仕事に一区切りがつくこの時期に、

夫婦関係が破綻し、「離婚」という選択を迫られる方が増えています。

一見、冷静に話し合って離婚に至ったようでも、

その裏側では 深い喪失感や自責感、孤独、未来への不安 が渦巻いています。

そして、気づかないうちに うつ症状が進行していることもあるのです。

離婚と“うつ”の関係

離婚は法的な手続きで終わりますが、「心の整理」は時間がかかります。

◦ 自分を否定されたような気持ち

◦ 長年築いてきた生活の喪失

◦ 子どもや親への申し訳なさ

◦ 「これから一人でどう生きていくのか」という不安

こうした感情が積もり、
無気力・不眠・食欲低下・自責感など、典型的なうつの症状につながることがあります。

中高年の場合、
「もう若くないから」「仕方ない」と感情を押し殺し、

周囲にも助けを求めにくい傾向があります。

それが、回復を遅らせる一因になってしまうのです。

【現場からの思い】

私は精神科の現場で、数多くの“離婚後のうつ”と向き合ってきました。
そして、心理カウンセラーとして独立してからも、特に中高年の方が、離婚を機に自分を見失ってしまうケースを多く見てきました。

とくに印象に残っているのは、50代女性の言葉です。

「夫と別れてすっきりしたはずなのに、朝になると布団から出られなくなるんです。
“自分は価値のない存在なのかもしれない”って、思ってしまって…」

これは珍しい話ではありません。
離婚が人生の自由への一歩になる一方で、「自分の価値が揺らぐ体験」にもなるのです。

離婚は“終わり”ではなく“変化”

離婚後のうつや喪失感は、自然な心の反応です。
むしろ大切なのは、「それを無理に消そうとしないこと」。

自分の感情にちゃんと気づき、
悲しみや怒りを一つずつ整理し、
そして「これからの人生をどう生きるか」をゆっくり考えていくことが大切です。

「もう遅い」と感じるときこそ、再出発のチャンス

中高年での離婚は、周囲からの理解も得にくく、心細さも大きいかもしれません。
でも私は、多くの方が離婚を経て「本当の自分の人生を取り戻していく姿」を見てきました。

うつ状態の中にいるときは、「何も変えられない」と感じてしまうものです。
でも、心は必ず再び動き出します。

その時に必要なのは、“話せる場”と“受け止めてくれる人”です。

最後に

あなたがもし今、「気持ちの整理がつかない」「未来が見えない」と感じているなら、
それは心の危機であると同時に、新しい自分に出会うための入口でもあります。

私は、カウンセラーとして、そして人生の浮き沈みを経験してきた一人の人間として、
あなたの心に寄り添い、再出発の支援をしていきたいと願っています。

“離婚とうつ”という人生の転機が、あなたにとって「自分を大切にするきっかけ」となりますように。