あがり症の正体と心の思い込みをやさしく解くレッスン

こんにちは、心理カウンセラーの飯田です。

あがり症で悩んでいる方の多くが、心のどこかでこんなふうに思っています。

「人前に出ると緊張して話せなくなるのは、自分だけなんじゃないか」

「なんで私は、他の人みたいに堂々としていられないんだろう」

「もっと普通に話せたら、仕事も恋愛もうまくいくのに…」

「なぜ自分はあがってしまうのか?」という疑問をやさしくひもときながら、

あがり症の本当の姿に近づいていく心のレッスンをお届けします。

あがり症は「性格」ではなく「記憶」と「学習」から生まれる

あがり症の人は、よく「もともと緊張しやすい性格だから」と考えてしまいますが、

実は、あがり症は「心のクセ」として後天的に身についた反応なのです。

たとえば…

  • 小学生のとき、発表で笑われた経験
  • 先生や親に「ちゃんと話しなさい」と強く言われたこと
  • 自分の話がスルーされた経験

そんな「人前での小さな傷」の記憶が、

「恥ずかしい」「怖い」「失敗したらダメ」という

深い学習となって、大人になった今も無意識に反応として現れてしまうのです。

「緊張=危険」と脳が勘違いしているだけ

私たちの脳は、「かつての経験」に基づいて、

「これは危ない場面だ」と判断します。

あがり症の人は、過去に人前で感じた「怖さや恥ずかしさ」の記憶が強く残っていて、

同じような場面になると、脳が勝手に「危険信号」を発動してしまうのです。

これが、前回お話ししたような…

  • 頭が真っ白になる
  • 声が震える
  • 呼吸が浅くなる
  • 早口になる/話せなくなる

といった「身体のあがり反応」へとつながっていきます。

あがらない人にも、実は「緊張」はある

あなたが見て「緊張してなさそう」と感じる人も、

実は多少の緊張は感じていることが多いんです。

では、何が違うのか?

それは、「緊張=悪いこと」だと思っていない

「緊張しても、自分はちゃんとやれる」と思えている

つまり、緊張に対するとらえ方が違うだけなのです。

あがり症の背景にあるビリーフとは?

多くのあがり症の方が、心の奥にこんなビリーフ(思い込み)を持っています。

  • 「うまく話せなかったら、恥をかく」
  • 「人に失望されるのが怖い」
  • 「ちゃんとしないと嫌われる」
  • 「完璧じゃないと認められない」

こうしたビリーフは、過去の経験や親・先生・周囲の反応の中で、

少しずつ刷り込まれてきたものです。

でも、ここが大切なポイント。

ビリーフは、「真実」ではなく「学習された思い込み」にすぎません。

つまり、書き換えることができるのです。

書き換えの第一歩は、「気づくこと」

たとえば、こんなふうに自分に問いかけてみてください。

  •  「私はどうして、人前で完璧に話さなきゃと思ってるんだろう?」
  • 「失敗=恥、という思い込みは、どこで身についたんだろう?」
  • 「ちゃんとしなきゃと思っているとき、私は誰の期待に応えようとしている?」

このような問いを通して、

自分の中の「無意識のルール」に気づくことが、緊張をゆるめるための第一歩になります。

まとめ

あがり症は、単なる「性格」や「慣れ」の問題ではありません。

それは、あなたの中にある心の記憶と思い込みが作り出している反応なのです。

でもその正体を知れば、もう自分を責めなくて大丈夫。

  • あがり症は「防衛反応」

  • 過去の経験と脳の記憶が原因

  • ビリーフは書き換えられる

  • 気づきが第一歩

これらをひとつずつ実践していけば、

「なんで自分だけ…」という不安はやがて「私にもできる」に変わっていきます。

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