「笑顔がひきつる」「目が泳ぐ」…その正体は?

~あがり症でも“自然な表情”で話せる3つのヒント~

こんにちは、心理カウンセラーの飯田です。

人と話すとき、こんな経験はありませんか?

● 緊張で笑顔がひきつってしまう

● 相手の目を見られず、視線が泳ぐ

● 表情が固まってしまって、無表情になる

こうした「顔まわりの緊張」は、あがり症の一部としてとてもよく見られる現象です。

実は私も、長い間こうした悩みを抱えてきたひとりです。

「笑ってるつもり」なのに、顔がこわばっていた過去

思い返せば、学生時代の私は、好きな人と話すだけで頭が真っ白になってしまうタイプでした。

自然な笑顔で接したいのに、いざ相手を前にすると、
頬が引きつってうまく笑えず、目も合わせられない。

相手は普通に話しているのに、私は顔が固まって、リアクションもぎこちなくて。
あとでひとり反省会をしては、「なんであんな変な顔になっちゃったんだろう…」と自己嫌悪に陥っていました。

当時は、それも全部「性格の問題」「私には人と接する才能がない」と思っていたんです。

でも心理学を学び始めて、やっと気づきました。
これは“性格”のせいではなく、緊張による身体反応だったんだ、と。

なぜ、表情がうまく作れなくなるの?

緊張すると、脳の中では「危険だ!」という警報が鳴り、
自律神経が“交感神経優位”の状態になります。

すると…

● 顔の筋肉がこわばる(とくに目元・口元)

● 表情を作る余裕がなくなる

● 相手の目を見ることが“怖さ”に変わる

このような状態では、
どんなに「笑顔でいなきゃ」と思っても、体が思うように動いてくれないのです。

「見られている」意識が強くなるほど、顔はこわばる

人前や好きな人の前では、「どう見られているか」がとても気になりますよね。

でも実は、この“見られている自分”に意識が向きすぎると、
表情はどんどん不自然になってしまうのです。

● 「変な顔してないかな?」

● 「笑顔がぎこちないかも…」

● 「目を逸らしたら変に思われる?」

こうした思考がよぎるたびに、脳は再び“警報モード”に入り、ますます表情が固まりやすくなります。

表情の緊張をゆるめる3つのヒント

① 表情筋のストレッチで“動かしやすい顔”をつくる

顔の筋肉も、緊張でガチガチになりやすいパーツのひとつ。
話す前や人と会う前に軽くほぐしておくと、表情が作りやすくなります。

◦ 「あ・い・う・え・お」をゆっくり大きく言ってみる

◦ 口角を片方ずつキュッと上げてみる

◦ 眉を上げ下げして、目元の筋肉を動かす

これを「表情の準備運動」として習慣にすると、
顔に“自然な動きのクセ”がついてきます。

② 相手の表情に“安心”をもらう

「相手の目を見るのが怖い」と感じるときは、
相手の“優しさ”や“安心感”を見つけようとする視点に切り替えてみましょう。

◦ 「この人の中に、落ち着いたところはあるかな?」

◦ 「今日は笑顔が多めの人かも」

◦ 「もしかして自分と同じように、緊張しているかも?」

“評価されている”という意識から、“共感”を見つけにいく意識に変えることで、
自然に視線も、表情も、柔らかくなっていきます。

③ 完璧な笑顔より、“やわらかい表情”を目指す

あがり症の方は、「ちゃんと笑わなきゃ」「明るく見せなきゃ」と、表情にプレッシャーをかけてしまいがちです。

でも本当に伝わるのは、完璧な笑顔ではなく、
ほんの少しのやわらかさ、目元や口元の緊張がほどけた自然さです。

◦ にっこり笑顔でなくても、目にやさしさがあれば安心感は伝わります

◦ 無理に笑おうとせずとも、軽くうなずくだけで好印象になります

つまり、「完璧な表情」よりも、「安心感がにじむ顔」を目指すのがコツです。

🌿 心と表情は、ゆっくり連動していく

表情がひきつると、「やっぱり自分はダメだ」と感じてしまうこともあるかもしれません。

でも、そう感じてしまうその瞬間にも、
心の中では“うまくやりたい”という想いが、一生懸命動いているのです。

だからこそ…

◦ 「表情がこわばっても、自分を責めなくていい」

◦ 「心がほぐれれば、表情も自然にほどけていく」

◦「安心できる関係の中でこそ、自分らしい表情が育つ」

このことを、ぜひ忘れずにいてくださいね。

まとめ:表情が固まるあなたへ伝えたいこと

● 表情がこわばるのは、あなたの体が“守ろう”としている証拠

● 「見られている」から「つながる」へ意識をシフト

● 完璧な笑顔ではなく、少しのやわらかさがあなたらしさを伝えてくれる

あなたの表情は、これから育てていけるもの。
どうか焦らず、まずは自分の顔にやさしくしてあげることから始めてみてください。