はじめに、こんにちは。
心理カウンセラーの飯田です。
私は精神科の看護師として30年以上現場に立ち、
今は心理セラピストとして、不安や緊張に悩む方々のサポートをしています。
今回のテーマは「全般性不安障害(GAD)」です。
あなたは、こんな気持ちに心当たりはありませんか?
なんとなく、いつも不安。理由がないのに、ずっと心配してしまう
「何も起きていないのに、なぜかずっと不安が続いている」
「このままでは、きっと悪いことが起きる気がする」
「眠る前になると、心配ごとが次々に浮かんできて、落ち着かない」
そういった状態が数週間、数ヶ月と続いていく。
これは、全般性不安障害(Generalized Anxiety Disorder)という、れっきとした心の病です。
全般性不安障害の特徴は、「特定の原因がないのに、慢性的な不安が続くこと」です。
つまり、「何に不安を感じているか」が自分でもはっきりしない。
それなのに、心と体はずっと「緊張モード」になってしまうのです。
どうして不安が止まらないのか?──その裏にある「思い込み」
実は、この止まらない不安の裏には、
“自分でも気づいていない思い込み(ビリーフ)”が関係していることがよくあります。
たとえば、
◦「心配していないと、悪いことが起きる」
◦「安心している自分は、だらしなくて危ない」
◦「私は何か失敗するに違いない」
◦「人に迷惑をかけてはいけない」
◦「ちゃんと備えていないと責任を果たせない」
こうした“思い込み”は、たいてい子ども時代の体験や親との関係の中で無意識に作られます。
しかし、大人になってもそのまま残っていると、脳と心はいつも“警戒モード”のまま。
その結果、理由のない不安や緊張として現れてしまうのです。

だからこそ、ビリーフチェンジセラピーが必要なんです
一般的なアドバイスとして「リラックスしましょう」「考えすぎないようにしましょう」と言われることもあります。
でも、全般性不安障害の根っこにあるのは、長年かけて心にしみ込んだ“信念=ビリーフ”です。
そのため、表面的な対処だけでは根本的な安心感は育ちにくいのです。
ビリーフチェンジセラピーでは、
◦「なぜ自分はこんなに不安になりやすいのか?」を丁寧に探り、
◦その奥にある「思い込み」に気づき、
◦そして、「今の自分に合った、安心できる考え方」へと、心の中で少しずつ書き換えていきます。
これにより、不安が起こるたびに苦しむ「脳と心の反応パターン」をやさしく変えていくことができるのです。
たとえば、こんなケースがあります
30代の女性Mさんは、日常生活へ支障を来すまでのことはありませんでしたが、
「いつか家族に何か起きるのではないか」「将来が怖い」といった漠然とした不安に悩まされていました。
カウンセリングを進める中で、「私はいつもちゃんとしていないといけない」「人に迷惑をかけてはいけない」「私は弱い人間だから、事前準備しないといけない」というビリーフが見えてきました。
そのビリーフに気づき、「失敗しても人は離れていかない」「安心しても、必要なときには動ける自分がいる」といった新しい視点や考えを心の中に育てていくことができたで、不安の感じ方がずいぶん変わってきたのです。
不安が完全になくなったわけではありません。
でも、「それでも、私は大丈夫」と思える時間が少しずつ増えていったのです。
まとめ──不安は「自分を守るためのサイン」
不安を感じやすい人は、それだけ「自分や大切な人を守ろう」と頑張ってきた人です。
でも、その優しさや責任感が、自分自身を追い詰めてしまうこともあります。
だからこそ、
不安を「敵」として排除するのではなく、
「なぜそんなに不安だったのか?」という心の声に耳を傾けることが大切なのです。
そして、その心の奥深くにある「思い込み」に気づき、優しく書き換えていく。
それが、私が提供しているビリーフチェンジセラピーの役割です。
最後に──あなたの不安には、意味があります
「こんなことで相談していいのかな…」
「自分が弱いだけじゃないか…」
そう思ってしまう方も多いですが、大丈夫です。
私自身もかつて、理由のわからない不安や焦りに苦しんだ時期がありました。
でも、心の仕組みを知り、思い込みを少しずつ変えていくことで、
人は安心と自信を取り戻すことができます。
今、この文章を読んでくださっているあなたが、
少しでも「心の奥を見つめてみたい」と感じたなら、
その気持ちが、きっとあなたをラクにしてくれる第一歩になるはずです。
どうぞ、安心してご相談ください。
あなたの心に寄り添い、共に安心を育てていくお手伝いをいたします。
心理カウンセラー・看護師
飯田恒幸