~脳の「扁桃体」があなたを守ろうとしているだけかもしれません~
こんにちは、心理カウンセラーの飯田です。
突然ですが、こんなふうに思ったことはありませんか?
- 「なんで、自分だけこんなに緊張するんだろう?」
- 「人前に出ると勝手に体が震えてしまう」
- 「普通に話したいだけなのに、頭がまっ白になる」
それは、あなたの性格が「弱い」からでも、「努力が足りない」からでもありません。
実はその裏側では、あなたの脳が、あなたを守ろうとがんばっているのです。
今回は、「あがり症」や「対人緊張」に深く関わっている、
扁桃体(へんとうたい)という脳の働きについて、やさしく解説していきます。
性格のせいだと思っていた
私が学生時代の頃、
人前で話す場面になると、急に心臓がドキドキして、手に汗がにじみ、
声が震えるのを止められませんでした。
特に授業で当てられたときなんかは、
頭が真っ白になって、言葉が浮かばず、
何も言えなくなることもありました。
自分では「これは性格の問題なんだ」「自分はもともと弱いんだ」と思い込んでいて、
そんな自分を責めてばかりいました。
そしてある日、友人にこう言われたんです。
「なんかお前って、人の前で変になるよな(笑)」
それがけっこうショックで、余計に人前が怖くなったんです。
でも、心理学を学ぶ中でようやくわかったんです。
これは性格ではなく、脳が私を守ろうとしている反応だったのだと。
扁桃体ってなに?
扁桃体とは、脳の奥にあるアーモンドのような形をした小さな部位で、
私たちが危険を感じたときにすばやく反応する感情のセンサーです。
たとえば、
- ビクッとする
- 怖いと思う
- 緊張して体が固まる
…これらは、扁桃体が「これは危ないぞ!」と察知して、
全身に警報を出しているからなんです。
あがり症の人は、この扁桃体が過敏
子どもの頃の体験、過去の失敗、人前での恥ずかしさなど、
過去の記憶と「不安な感情」が強く結びついていると、
扁桃体は「また同じことが起きるかもしれない!」と反応しやすくなります。
だから、
- 好きな人の前でドキドキが止まらない
- 会話の途中で、「どうしよう」と焦ってしまう
- 自然な笑顔がつくれなくなる
といった現象が、無意識に起きてしまうのです。
これはあなたの意志の問題ではなく、
脳と心のしくみによって引き起こされている反応なんです。
緊張で「頭が真っ白」になるのは、扁桃体が働きすぎているサイン
扁桃体が過剰に反応すると、
脳の「前頭葉(冷静に考える・言葉を選ぶ場所)」の働きが一時的に弱まります。
その結果…
- 思考停止してなにも言えなくなる
- 頭が真っ白になって固まっる
- 話すつもりだったことを全部忘れる
といった状態が起きるのです。
つまり、体は本気で自分を守ろうとしてくれているのですが、
それがかえって日常生活や人間関係での困難につながってしまう、というわけです。
扁桃体と仲直りするには?
ポイントは、「この反応を消そう」とするのではなく、
安心を心と体の両方から少しずつ育てていくことです。
たとえば…
- 深く長く息を吐く
- やさしいセルフトークを使う(例:「それだけ頑張ってきたんだね」)
- 信頼できる相手との安心な関係で、「安全な経験」を重ねる
こうした、安心の経験が少しずつ扁桃体に届くことで、
過剰な反応はゆっくりやわらいでいきます。
心のクセは、やさしく書き換えることができます
「また緊張したらどうしよう」
「どうせうまくいかない」
そんな思いが頭をよぎるたび、扁桃体は警報を鳴らしてしまいます。
でもその思いこそ、ビリーフ(思い込み)という心のプログラムです。
それは、あなたのこれまでの経験が作り出したもの。
そして、カウンセリングでは、その思い込みにやさしく気づき、
書き換えていくお手伝いができます。
カウンセリングでできること
- 「なぜこんなに緊張してしまうのか」を一緒にひもとく
- 体の反応や心のクセをやさしく整理する
- 過去の経験に向き合い、無意識の記憶を書き換える
- 安心できる関係の中で「自然体の自分」を取り戻す
あがり症や対人緊張は、「今のあなたのせい」ではありません。
でも、「これからのあなた次第で変えていけるもの」でもあります。

まとめ
- 扁桃体は、あなたを守る「感情センサー」である
- 緊張・あがり症は、過去の経験がつくった心の反応である
- 自分を責めず、やさしく整えることで変わっていける
- カウセリングは、その安心の土台を育てていく場である
もしあなたが今、
「このままじゃ恋愛もうまくいかないかも…」
「また緊張して失敗するのが怖い」
と感じているなら、その思いを、ひとりで抱えずに話してみませんか?
あなたの心と体に、もう一度「安心」を届けるサポートをさせていただきます。

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