~“あがり症の身体反応”をやさしく整える3つのステップ~
こんにちは、心理カウンセラーの飯田です。
あがり症の方に多いお悩みのひとつに、
● 人前に出ると声が震える
● 息が浅くなってうまく話せない
● 緊張で体がこわばってしまう
といった“身体の反応”のつらさがあります。
今回は、こうした反応がなぜ起こるのか、そしてどのようにやさしく整えていけばよいのかを、
心理学と身体感覚の両面からお伝えします。
それは「体があなたを守っている」証拠
まずお伝えしたいのは、
これらの反応はあなたの体が“緊急事態だ”と判断して、身を守ろうとしている証拠
だということです。
● 声が震えるのは → 筋肉がこわばり、息の出し方が不自然になるから
● 呼吸が浅くなるのは → 交感神経が優位になり、体が“戦闘モード”に入っているから
つまり、これは「自律神経の反応」であって、性格や気の弱さの問題ではないのです。
身体が緊張するメカニズムを知ろう
人は緊張すると、脳の「扁桃体」が危険を察知し、
自律神経(交感神経)を通じて“戦うか逃げるか”のモードに入ります。
その結果、
● 呼吸が浅くなる
● 声帯や喉の筋肉が硬くなる
● 心拍が上がる
● 手足が冷たくなる/震える
といった反応が起きます。
この状態では、「落ち着いて話す」「自然に笑う」などの行動が難しくなって当然なのです。
身体反応をやさしく整える3つのステップ
① ゆっくり息を吐く「1:2呼吸法」
呼吸は、唯一「自分でコントロールできる自律神経スイッチ」。
おすすめは「4秒吸って、8秒かけて吐く」呼吸です。
◦ やり方:鼻から4秒吸って、口から8秒かけて吐く
◦ 目安:3セットほどゆっくり繰り返す
② 声を出す前に「体をゆるめる」
声が震えるときは、喉やお腹、肩周りの筋肉がガチガチになっています。
◦ 首をゆっくり回す
◦ 肩をすくめて、ストンと落とす
◦ 手を軽く握ってパッと開く
◦ 口を「ア・エ・イ・ウ・エ・オ・ア・オ」と動かす
こうした簡単な動きで筋肉をゆるめることで、声の出しやすさが変わってきます。
③ 声を「下から出す」感覚を身につける
緊張すると、声が喉だけで出やすくなり、震えやすくなります。
そこで大切なのが、「声はお腹から出す」というイメージ。
◦ お腹に手を当てて、「んー」と鼻歌を出すように声を響かせる
◦ 低めのトーンで「あ~」と伸ばす練習
◦ 小さな声で「うん」「はい」をお腹から出す練習
声を“下”から出すことで、自然と体が安定し、震えも和らぎやすくなります。

緊張が出ても「戻れる方法」を知っていれば大丈夫
あがり症を完全になくそうとするとかえって苦しくなります。
でも、「緊張しても戻れる」「震えても落ち着ける方法を知っている」
という安心感があると、緊張のピークはずっとやわらぎます。
まとめ:あがり症は「心と体の反応」だから整えられる
● 声が震える
● 呼吸が浅くなる
● 手足が冷たくなる
それはすべて、「体があなたを守ろうとしている証拠」です。
性格や弱さではなく、自律神経の自然な反応なんですね。
だからこそ、呼吸・筋肉のゆるめ方・声の出し方といった身体的アプローチで、
緊張とうまく付き合っていくことができるようになります。
あなたの身体は、整えれば、ちゃんと味方になってくれます。