~「あがり症の身体反応」をやさしく整える3つのステップ~
こんにちは、心理カウンセラーの飯田です。
あがり症の方にとって多いお悩みのひとつに、
- 人前に出ると声が震える
- 息が浅くなってうまく話せない
- 緊張で体がこわばってしまう
といった「身体の反応」のつらさがあります。
今回は、こうした反応がなぜ起こるのか、
そして、どのようにやさしく整えていけばよいのかを、
心理学と身体感覚の両面から考えてみたと思います。
緊張は体があなたを守っている
まず、お伝えしたいのは、
これらの反応はあなたの体が「緊急事態だ」と判断して、身を守ろうとしている証拠
だということです。
- 声が震えるのは、体の筋肉がこわばり、息の出し方が不自然になるから
- 呼吸が浅くなるのは、交感神経が優位になり、体が戦闘モードに入っているから
つまり、これは「自律神経の反応」であって、
性格や気の弱さの問題ではないのです。
身体が緊張するメカニズムを知ろう
人は緊張すると、脳の「扁桃体」が危険を瞬時に察知し、
自律神経(交感神経)を通じて「戦うか逃げるか」の戦闘モードに入ります。
その結果、
- 心拍があがる
- 呼吸が浅くなる
- 声帯や喉の筋肉が硬くなる
- 手足が震える/冷たくなる
といった反応が起きます。
この状態では、「落ち着いて話す」「自然に笑う」などの行動が難しくなって当然なのです。
身体反応をやさしく整える3つのステップ
① ゆっくり息を吐く「4-8呼吸法」
呼吸は自分でコントロールできる自律神経のスイッチです。
おすすめは「4秒吸って、8秒かけて吐く」呼吸です。
- 鼻から4秒吸って、8秒かけて吐く
- 目安は3セットをゆっくり繰り返す
② 声を出す前に「体をゆるめる」
声が震えているときは、喉やお腹、肩周りの筋肉がガチガチに硬くなっています。
- 首をゆっくり回す
- 肩をすくめて、ストンと落とす
- 手を軽く握ってパット開く
- 口を大きく開いて、「あ、い、う、え、お」と動かす
こうした簡単な動きで筋肉をゆるめることで、
声の出しやすさが変わってきます。
③ 声を「下から出す」感覚を身につける
緊張すると、声が喉だけで出やすくなり、震えやすくなります。
そこで大切なのが、「声はお腹から出す」というイメージ。
- お腹に手を当てて、「んー」とは鼻歌を出すように声を響かせる
- 低めのトーンで、「あー」と伸ばす練習
- 小さな声で、「うん」「はい」をお腹から出す練習
声を「下」から出すことで、自然と体が安定し、
震えも和らぎやすくなります。

緊張が出ても「戻れる方法」を知っていれば大丈夫
あがり症を完全になくそうとするとかえって緊張が高まり苦しくなります。
でも、「緊張しても戻れる」「震えても落ち着ける方法を知っている」
という安心感があると、緊張のピークはずっとやわらぎます。
まとめ
- 声が震える
- 呼吸が浅くなる
- 手足が震える/冷たくなる
それはすべて、「体があなたを守ろうとしている証拠」です。
性格や弱さではなく、自律神経の自然な反応なんですね。
だからこそ、呼吸・筋肉のゆるめ方・声の出し方といった身体的アプローチで、
緊張とうまく付き合っていくことができるようになります。
あなたの身体は、整えれば、ちゃんと味方になってくれます。
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