こんにちは、
心理カウンセラー飯田です。
前回は「適応障害とは何か」について、現場の視点からお伝えしました。
今回はその続きとして、適応障害の主な症状やサインについてお話しします。
「なんとなく元気が出ない」は要注意のサイン
適応障害は、目に見える症状だけでなく、
心や体にじわじわと現れる小さな変化が特徴です。
そのため、ご本人も「まさか自分が…」と気づきにくいことがよくあります。
以下は、私がカウンセリングでよく耳にする、適応障害の兆候です。
- なんでもないことに涙が出る
- 仕事や学校に行くのがとくかく億劫になる
- 「自分が悪い」と責めてしまう
- 何をしても楽しく感じない
- 不安感が強く、心が落ち着かない
- 焦りや緊張がずっと続いている
- 「消えてしまいたい」と感じることがある
- 寝付けないまたは朝早く目が覚める
- 食欲がおちるまたは逆に過食になる
- 頭痛、肩こり、吐き気などの身体症状がでる
- 倦怠感(体がだるい、力が入らない)
- 動機や息苦しさがある
これらの、心と体にでる症状はうつ病にも似ていますが、
特定のストレスがきっかけになっている場合は、
適応障害の可能性が高いと考えられます。
「こんなことで弱ってはいけない」と思っていませんか?
現場でよく感じるのは、適応障害に苦しむ方ほど、
「自分が悪い」「もっと頑張らなきゃ」と考えてしまう傾向にあるということです。
たとえば、こんな言葉がよく聞かれます。
- 「みんなは普通にやっているのに、自分だけがつらいのはおかしい」
- 「ここで弱音を吐いたらダメだと思っていた」
- 「迷惑をかけたくないから、誰にも言えなかった」
でも、それはあなたが「弱い」からではありません。
むしろ、人一倍がんばってきた結果、心と体が限界を超えてしまったのです。
「まじめで責任感のある人」が陥りやすいワナ
適応障害は、特定の性格傾向を持つ人に多い傾向があります。
- 人に頼るのが苦手
- 自分に厳しく、つねに努力を惜しまない
- 周囲の期待に応えようとする
- 失敗を極度に恐れる
- 感情を外に出すのが苦手
これらは、社会では「良い性格」として評価されやすいものです。
しかし、内側ではじわじわとストレスが蓄積してしまうのです。
「こんな症状が出たら、立ち止まっていい」サイン
カウンセリングの現場では、
「あと1週間早く来てくれていたら、もっと楽に回復できたかもしれない…」
そう感じる場面によく出会います。
適応障害は、気づかないうちに心と体をすり減らしてしまうことが多く、
「まだ大丈夫」「もう少しだけがんばろう」と無理を重ねてしまう方が少なくありません。
だからこそ、以下のようなサインが出ている場合は、
ぜひ一度立ち止まって、自分の心と体の声に耳を傾けてみてください。
✅ 朝、目が覚めた瞬間に胸が苦しくなる
✅ 仕事や人間関係のことを考えると吐き気がする
✅ 特別な理由がないのに、涙が出てしまう
✅ 休日になっても気が休まらず、リラックスできない
✅ 集中力が続かない、物忘れが増えてきた
こうした状態が2週間以上続いている場合は、要注意のサインです。
決して、「自分が弱いから」と責めないでください。
あなたの心が「限界に近づいているよ」と教えてくれている大切なサインなのです。
心のケアは、風邪のように「早めの対処」がとても効果的です。
重症になってからではなく、「まだ間に合ううちに」サポートを受けることで、
心はぐっと楽になり、回復もスムーズに進みます。
どうか、無理をしすぎる前に。
ひとりで抱え込まず、誰かに気持ちを話してみてください。
カウンセリングは、その一歩をそっと支える場所です。

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もし今、心が疲れていたり、
ひとりで抱えていることがつらいと感じているなら、
どうか無理をせず、そっとご相談ください。
話したいこと、話せることからで大丈夫です。
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