恋愛したいのに怖い…その気持ちの正体は“心の記憶”だった

〜クライアントさんとの対話から感じたこと〜

こんにちは。
心理カウンセラーの飯田です。

今日は、あるクライアントさんのお話から、
「恋愛がしたいのに、なぜか怖くて動けない」というテーマについて綴ってみたいと思います。

(※プライバシーに配慮して書いています)

恋愛したいはずなのに…

彼女は40代前半。

落ち着いた雰囲気で、言葉の選び方がとても丁寧な方でした。

でも、ふとしたとき瞬間、表情がこわばることもありました。

「恋愛がしたい気持ちは、ずっとあるんです。
 でも、いざ誰かと距離が近づきそうになると、怖くなってしまう……
 LINEの返事を返すのにも、緊張して手が止まるんです」

そう話してくれたとき、私は強くうなずきました。

恋愛って、本当はあたたかくて、嬉しいはずのものだけれど、

彼女のなかには、過去の経験からうまく癒えていないことがあるのかもしれない。

なにかしらの傷付き体験があるのかもしれないと思いました。

胸の奥に残っていた“あの記憶”

何度かセッションを重ねるうちに、彼女はこんなことをぽつりと打ち明けてくれました。

「中学生の頃、好きな人に告白したら、冗談みたいに笑われたんです。
 クラスの何人かにバレてしまい、しばらく学校に行くのも嫌になって……」

それから彼女は、
人に好意を見せることが“恥ずかしいこと”のように感じるようになったそうです。

「その時のこと、もう忘れたつもりだったんですけど、
 今になって思い出して、涙が止まらなくなってしまって…」

それを話す彼女の姿は、
まるであの頃の中学生のまま、傷ついた心をそっと抱えているように見えました。

心の記憶は、体に残る

「もう何年も前のことだし、いい大人なんだし、乗り越えなきゃ」
そんなふうに思って、自分に厳しくしてきた彼女。

でも、人の心って、理屈では整理がついても、
“感情の記憶”は体の奥の奥に残ったままになることがあります。

そしてそれが、“今の恋愛”にまで影響してしまう。

本当は、目の前の人が過去の彼とは全然違っても、
体や心が、「また、同じ痛みが来るかも」と身構えてしまうんです。

そのままの私でも、関係を築けるかもしれない

セッションでは、彼女の中に残っていた“あの時の気持ち”を、

何度も丁寧にたどりながら、自分自身と向き合っていきました。

「怖いけど、それでも人とつながりたい」
「本当は、愛されたい」

そうした気持ちが、ほんの少しずつ、彼女の中から出てきたのです。

最後のセッションのときには、彼女はこんなふうに笑っていました。

「なんか今は、無理にがんばらなくても、
 “ちょっと話してみようかな”くらいでも、いいのかなって思えるんです。
 そのままの私でも、たぶん関係を築けるかもしれないって…」

その表情は、最初にお会いした時とはまるで違っていました。

ほんの少し肩の力が抜けていて、でもとても芯のある笑顔でした。

あなたにも、同じような“心の記憶”があるかもしれません

恋愛が怖い。

その気持ちには、ちゃんと理由があります。

“弱いから”でも、“人付き合いが下手だから”でもありません。

それはあなたが、これまで一生懸命に心を守ってきた証拠です。

でも、もし今「誰かと心を通わせたい」と感じているなら、

その気持ちを、どうか置き去りにしないであげてください。

心の奥に残る“記憶”は、やさしく見つめ直すことで、

少しずつ、あたらしい意味に書き換えることができます。

私のカウンセリングでは、

「もう恋愛は無理だと思っていた」
「人を好きになるのが怖くなった」

そんな方が、ゆっくりと“自分らしさ”を取り戻していくお手伝いをしています。

あなたも、「心の記憶」をひもときながら、

恋愛を怖がらなくてもいい自分に、
少しずつ戻ってみませんか?

いつでも、お話を聞かせてください。