こんにちは。
心理カウンセラー飯田です。
前回は、適応障害の主な症状やサインについてお伝えしました。
今回はもう一歩進めて、「適応障害が起きやすい環境や場面」について、
現場での経験も交えてお話しします。
人は環境に傷つく
私たちの心は、環境や人間関係にとても影響を受けています。
特に、「こうしなければならない」「自分を押し殺してでも適応しなければならない」
と感じる場面で、心のバランスは崩れやすくなります。
適応障害は、特定のストレス因(ストレッサー)が引き金になることが特徴です。
そのストレッサーがどこにあるのか、
それを理解することが、回復の第一歩になります。
仕事:真面目な人ほど苦しみやすい
職場でのストレスが原因で適応障害になるケースは非常に多く、現場でもよく見られます。
よくあるストレッサー
- 上司や同僚との人間関係の悪化
- 家業な業務量や責任
- パワハラや職場のいじめ
- 移動・転勤・昇進などによる環境の変化
- 自分の適性に合わない業務内容
あるクライエントの方は、異動先での上司との関係に悩み、
「朝起きると吐き気がして動けない」と訴えてこられました。
「みんな耐えてるんだから、自分もがんばらなきゃ」と思っていたそうですが、
体が限界を知らせるサインを出していたのです。
思春期の心は環境に敏感
中高生や大学生においても、学校という環境は非常にストレスフルです。
特に、思春期は「自分とは何か」「人とどう関わるか」に悩む時期でもあり、
適応障害を発症することがあります。
よくあるストレッサー
- いじめ・からかい・排除
- 友人関係のトラブル
- 成績や進路へのプレッシャー
- 親や教師からの期待
- 新しいクラスや部活動への不安
実際に、私が現場でであった学生さんは、
「友だちが誰もいないまま新学期が始まり、不登校になった」という方もいました。
「学校に行きたくない」気持ちは、怠けではなく、心が自分を守ろうとしているサインなのです。
家庭がストレス源になることも
家庭は本来、安心できる場所であるべきですが、
そこにストレッサーが存在することも少なくありません。
よくあるストレッサー
- 親との同居や介護
- 配偶者との関係不和
- 子育てや家庭内の役割のプレッシャー
- 経済的な不安や住宅環境の問題
- 家庭内の病気や死別
ある主婦の方は、夫の転勤による引っ越しと、義両親との同居が重なり、
「自分の居場所がない」と感じて適応障害を発症しました。
家族のために我慢し続けた結果、自分の心が悲鳴を上げたのです。
「変化」が引き金になる
適応障害の特徴は、「変化」がきっかけになることです。
たとえば、
- 入学・進学・就職・転職
- 引っ越し・結婚・出産・離別
- 介護のはじまり・配偶者の死別
- 環境の変化・人事異動など
どれも「人生の節目」であり、決してネガティブな出来事だけとは限りません。
しかし、たとえ「喜ばしい変化」であっても、
人によっては大きなストレスとなることもあります。

私のカウンセリングの現場でも、「自分ではたいしたことじゃないと思っていたのに、
体がついてこなくなった」とお話しされる方がとても多くいらっしゃいます。
変化が多い時期ほど、心は疲れやすくなります。
そんなときは、「誰かに話す」「気持ちを整理する」ことが、
自分を守る大切な一歩になります。
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