こんにちは。
心理カウンセラーの飯田です。
今回は、少しデリケートなお話をしようと思います。
「人前で話せない私なんて、価値がないのかも…」
こんなふうに、ふと心がつぶやいてくることってありませんか?
私もかつて、そう思い込んでいた時期がありました。
でも今は、それが思い込みだったんだと、思えています。
今日はそのお話を、ゆるっとお話ししてみますね。
どうして「人前で話せない自分」に、価値がないと感じてしまうのか?
たぶん、きっかけは「比べること」だったと思うんです。
周りには、堂々と話す人、笑顔で会話する人、ユーモアを交えて楽しませる人…。
そんな人たちを見ると、「私は真似できてない」って思ってしまう。
特に仕事の場面で、「会話がうまいこと=頭がいい人・魅力的な人」
みたいな空気、ありませんか。
でも実は、「話せるかどうか」って、価値を図るすべてではないんですよね。
うまく話せなくても、優しい人だったり、誠実な人だったり、
信頼されてる人だってたくさんいます。
…とはいえ、それがなかなか分かっていても受け入れられないのが、
ダメだしつらいところなんですよね。
そもそも、どうして私はこんなに人前で緊張するのだろう?
これはもう、性格うんぬんじゃなくて、心の仕組みなんだと思います。
たとえば、子どもの頃に「失敗しちゃダメ」「恥をかいたら終わり」
みたいなメッセージを受け取っていると、
人前に出る=評価される場所=怖いって、脳が無意識に判断しちゃうんです。
私の場合、小学生のときに国語の本読みでつっかえて笑われたことがあって、
そこから「声が震えたらダメだ」「笑われたらどうしよう」って、
不安がずっと消えなかったんですよね。
だから、人前に出るたびに心臓がドキドキして、表情がこわばり、声が震えて…。
これって、もう心と体の反応なんです。
それって、いくつになっても治せるの?
30代後半のときは「いい加減、なんとかしなきゃ!」って、焦ってばかりだったけど、
実際、40代に入ってから、自分の思い込みを見直すカウンセリングを受けました。
そこで「緊張するのはダメなことじゃない」って初めて言ってもらえて、ホッとしたんです。
じゃあ、どうやってその思い込みを変えていけばいいの?
ひとつは、「感情の根っこにある思い込み」を見つけることです。
たとえば、
緊張する=恥ずかしいこと
話せない=価値がない
うまくいかない=自分がダメ
みたいな「決めつけ」があると、それに反応して不安がふくらんでいくんです。
だから、こういう自分を苦しめている思い込みを一緒に見つけて、
「本当にそうかな?」とゆるめていく作業をしていきます。
話し方教室やスピーチ練習ではダメなの?
もちろん、練習することは大事です。
でも、私の経験から言うと、
「安心して話せる場所」と「緊張する場所」って、全然ちがうんですよね。
以前、スピーチ教室に通っていて、生徒さんの前ではなんとか話せるようになったんです。
でも、実際に学会発表でマイクを握ったときは、手や声が震えてしまって…。
うまく発表できなくてしばらく落ち込みました。
そのとき気づいたんです。
「ああ、私は話す練習じゃなくて、怖さを感じるメンタルケアが必要なんだな」って。

怖さのケアって、どうやってするの?
安心感のある場所で、「怖い」って気持ちをそのまま話すことから、かなって思います。
「また失敗したらどうしよう」とか、「笑われたらどうしよう」って気持ちは、
無理に抑え込まず、
「そうだよね、怖いよね」って寄り添ってもらえると、少しずつ心がほどけてきます。
婚活のときも、緊張して表情が固まってしまうんだけど…
とてもよくわかります。
私も「笑顔を作らなきゃ」「自然に話さなきゃ」って思うたびに、顔がひきつってました。
でもある日、「相手の話をちゃんと聞くこと」を意識してみたんです。
「それ、いいですね」って共感したり、うなずいたり、
ちょっと目を見て「私もそう思います」って伝える。
それだけでも、相手が笑ってくれたり、場が和んだりするんですよね。
「緊張してても、このままでいいのかも」って思えたとき、
表情も少し柔らかくなっていきました。
じゃあ、何をすれば「変われる」って思えるようになりますか?
まず、「変わろうとしすぎないこと」かもしれません。
「ちゃんとしなきゃ」「上手くやらなきゃ」って頑張ってる人ほど、緊張しやすいんです。
だから私は、
「緊張してもOK」
「話せなくても私はダメじゃない」
「表情が固くても、ちゃんと伝わる」
って、自分に言ってあげるようにしています。
カウンセリングでも、「大丈夫な体験」を少しずつ積んでいくことで、
自分を責めない心が育っていくんです。

最後に
「話せない私に価値はない」って思っていたあの頃の私に、今ならこう言ってあげたいです。
「大丈夫。あなたは、ただ少し怖がっているだけなんだよ」って。
緊張するのは、優しいから。真面目だから。ちゃんと向き合おうとしてるから。
だからこそ、そんな自分をゆるしながら、ゆっくりでも前に進めばいいんだと思います。
もし今、似たような悩みを抱えているなら、
どうか一人で抱え込まず、話してみてくださいね。
あなたが安心して話せる場所で、あなたの声を、ちゃんと聞いてくれる人がいます。
【カウンセリングのご案内】
もし今、心が疲れていたり、
ひとりで抱えていることがつらいと感じているなら、
どうか無理をせず、そっとご相談ください。
話したいこと、話せることからで大丈夫です。
あなたのペースを大切にしながら、
カウンセリングでは丁寧にお話をお聴きしています。
どんな小さなお悩みでもかまいません。
一歩を踏み出すきっかけになればうれしいです。