適応障害の裏にある“こころのメカニズム”

こんにちは。
心理カウンセラーの飯田です。

「自分なりに一生懸命やっているのに、なぜこんなにつらいのか」
「休むほどじゃない。だけど、毎日がしんどい」

カウンセリングの現場で、よく聞く言葉です。

今回のテーマは、「がんばっているのに苦しくなる」その心の仕組みについてです。

それは、あなたが「弱い」からではなく、

むしろ“がんばりすぎている”からこそ起こる現象なのです。

「がんばり屋さん」が適応障害になりやすい理由

適応障害になりやすい人には、ある共通する傾向があります。

✅ 責任感が強い
✅ 人に迷惑をかけたくない
✅ まじめで手を抜けない
✅ 評価されることで自分の存在価値を感じやすい
✅ 「こうあるべき」に縛られている

これらは一見すると「良い性格」とも言えます。

しかし、それが過剰になると、自分の心や体を後回しにし、無理をし続けてしまうのです。

“がんばる”は心の防衛反応

がんばることは、ある意味で「心を守るための戦略」です。

たとえば…

◦ 嫌われたくないから、人に合わせてしまう

◦ 怒られたくないから、先回りして気を使いすぎる

◦ 認めてもらいたいから、無理をして結果を出そうとする

それは、過去の経験で身につけた「心のクセ」かもしれません。

子どもの頃に、

「ちゃんとしていないと愛されない」

「迷惑をかけてはいけない」

といった思いを持って育つと、

大人になってからも「がんばりすぎる自分」が当たり前になってしまいます。

「自分にOKを出せない」苦しさ

適応障害の背景には、自己肯定感の低さが関係していることがあります。

たとえば…

◦ 自分を評価する基準が「他人からどう見られるか」になっている

◦ 少しでもミスをすると「自分はダメだ」と思ってしまう

◦ 休むこと=怠けること、と感じてしまう

こうした心の状態では、「どれだけがんばっても満たされない」苦しさがつきまといます。

だからこそ、がんばってもがんばっても、心が報われないのです。

「がんばらなくても大丈夫な場所」を見つける

適応障害の回復には、

まず「がんばらなくてもいい時間・場所」が必要です。

それは…

◦ 安心して話せる相手

◦ 自分の気持ちを否定されない空間

◦ 体を休めることが許される環境

◦ 役割からいったん離れられる時間

カウンセリングは、まさにそうした「安心して心を緩められる場所」として機能します。

私のところに来られる方の多くが、「ここでは無理に笑わなくてもいいんですね」と言って、

涙を流されます。

「がんばらない練習」が、心の回復をうながす

適応障害からの回復は、ただ休めばいいというものではありません。

大切なのは、「これまでのがんばり方」そのものを見直し、心のクセに気づいていくことです。

◦ 自分が無理してしまうパターンに気づく

◦ 休むことに罪悪感を抱かない練習をする

◦ 自分の気持ちを素直に表現してみる

これらは、少しずつしかできないことですが、

カウンセリングの中では「小さな気づき」から始めていきます。

そしてそれが、本当の意味での自分らしい回復と再出発につながっていくのです。

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